タングルド
〈新二の気持ち〉
オレと兄さんと彩ちゃんは幼馴染で、オレが中学に上がる頃まで彩ちゃんは近所に住んでいてよく遊んでいた。
兄さんが彩ちゃんに勉強を教えていたから家にもよく来ていたが、彩ちゃんの実家である森川住販が急速な成長をして横浜にある高級住宅街に引っ越しをして行った。

ずっと彩ちゃんの事が好きだったが、彩ちゃんが好きなのは兄さんだった。

兄さんは頭もよくリーダーシップもとれ父さんからの信頼を一身に受けていた。
オレは全てにおいて兄さんには敵わなかった。
彩ちゃんの母親が兄さんに受験勉強の手伝いをしてあげてほしいと母さんにお願いしていたのを知ってオレも一緒に勉強を見てもらった。

一緒にいれば彩ちゃんが兄さんのことを好きなのはよく分かった。
しかし、兄さんは彩ちゃんに対して妹のような感情しかもっていなかったようだ。

彩ちゃんが横浜にある志望校に入学してそれを機に兄さんも自分の勉強を優先することになり勉強会は終わりを告げた。

彩ちゃんは志望校である女子大附属高校に入学した日に兄さんに告白をしたが断られて泣いている所に遭遇した。
彩ちゃんを悲しませていることには腹は立ったが、兄さんのものにはならないと分かった時すごく嬉しかった。

そして、オレは彩ちゃんに告白した。
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