タングルド
子供の頃からわたしは賢一さんが好きだった。
高校受験のため賢一さんに勉強を教えてもらいたいと母親にねだったらうまく話をつけてくれた。賢一さんの部屋で二人になれると思っていたのに、新二くんも一緒に勉強をすることになった。

高校に受かって賢一さんに告白をしたけど、妹以上の感情はないと言われた。

わたしは今まで何人もの男子から告白をされることがあった、でもわたしはそのだれとも釣り合うことなんか無い。わたしは高嶺の花で、唯一つりあうのは賢一さんだけなのに。
悲しくて悔しくて、そんな時に新二くんから告白され、賢一さんと疎遠になるくらいなら新二くんと付き合えばいつかは賢一さんを手に入れることができるかもしれないと思った。

賢一さんが大学に彼女がいると聞くとこっそり見にいった、信じられないくらい不釣り合いだった。地味でつまらなそうな女で、わたしの方が何倍も何十倍も綺麗で釣り合いがとれていた。だから、そのまま放置したら、案の定別れた。

新二くんは身体だけ預けておけばなんでも言うことを聞くし、声変わりをして目を瞑ってしまえば賢一さんに抱かれているようでそれはそれで気分が良かった。

森川住販がおかしなことに巻き込まれ始めたのはその頃だった。
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