タングルド
「あら〜雪ちゃんの方が年上なのね、賢一は少しおっさんくさいところがあるからちょうどいいわね」

年上でもOKだと言うことだろうか?なんかいろいろとツッコミどころのある夫人だが、社長がとても夫人を愛しているのが垣間見えてすごく羨ましく感じた。
我が家ではない事だったから。

絶え間なく溢れ出る夫人の質問を受けていると

「母さん終わり。家に着いた」

門から先がよく見えない豪邸だと思う(見えないから)に到着し「今度は温泉に入りましょうね」と朗らかに言いながら邸宅に入って行った。


賢一はため息をつくと
「ごめん、疲れただろ?」と、言っている本人の方が疲れているようにみえた。

「じゃあ、行こうか」

二人を乗せたグレーメタリックのレクサスは目的地に向けて走り出した。
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