タングルド
「1つづつ答えていくよ。ただ、花ちゃんにとって辛い話もあるかかもしれないが大丈夫かい?」
そう聞くと、小さく頷いた。
「まずは、新二と森川さんが10年以上付き合っていたことは本当だ」
ティッシュを持つ手に力が入る。
「ISLAND住販は元は森川住販で森川さんの父親が経営していたんだが、欠陥住宅問題により経営が立ち行かなくなり、ローン会社が森川住販を支援するかわりに森川さんを社長の愛人にすることで話が進んでいたんだ。新二は恋人である森川さんを救うために、森川さんと新二が婚約をすることで両親を説得して支援のためのお金をISLANDから出せないかと考えたが、森川社長がまだ学生だった新二では承諾できないと言ってきたため、新二がISLANDに入社するまで俺が仮の婚約者となった。もちろん、森川さんとは何の関係も持っていないし、そもそも俺は台湾にいたから会うことも無かった」
花ちゃんはずっと下を向いたまま聞いていた。
「ところが森川住販の件があまりにうまくいきすぎて1年早く本社に呼び戻され、そこで雪にあって一目惚れをしたんだ。そのころ、雪には恋人がいたから、ただみているだけだったが、雪がその恋人と別れたと聞いてモタモタしていては誰かに取られると思って新二と婚約者の交代をするまであと2ヶ月あったが告白をして付き合うことになったんだ」
「え?」
目も鼻も真っ赤にした花ちゃんが惚けたように顔を上げた。
「雪は森川さんが言ったような事はしてないよ、清廉潔白な人だから。花ちゃんが一番良く知っているでしょ」
泣きながらも大きく頷く
「よかった、お姉ちゃんを嫌いになりたくない」
「仮の婚約者を引き受ける上で条件をいつくか提示したが、ことごとく約束は破られ今回のように森川さんが雪を傷つけたから、もう森川さんと新二を守る必要がないと判断して全てを父に話して森川住販を潰すことにしたんだ」
「だから今はISLAND住販になったんだ。でも、今の話だと新二さんも約束を守らなかったってこと?」
うん。。。まずいな。
しっかりつっこんでくるあたりは雪に似ているかも。
「まぁそうだね」
「条件ってなんですか?」
「新二が入社したら婚約者を入れ替わることと、俺には一切関与しないということ」
「他には?」
何だか、食い下がってくるな。
「他とは?」
「だって、約束を破った内容としてはなんだか釈然とこないというか、新が直接関係するような約束は無かったんですか?」
どうする・・・
「何か隠してますよね」
はぁ、思わず息を吐く。
「俺の婚約者であるうちは妊娠はしないこと」
「えっ!新って子持ちなんですか」
「いや、この時は未遂というか」
「未遂?」
「そう、未遂」
あまりこういう生々しい話はしたく無かった。
一度目を閉じてから瞼を開くと、花ちゃんが怒っているように見えた。
「それって、新は避妊をしない人なの」
「は?」
「お姉ちゃんが避妊しない男はダメだって」
「え?」
「もう、どうしよう」
「いや、一応理由はあったと思うから、それは本人と話し合って聞いてみた方がいい」
「でも、新は彼女が好きなんでしょ。10年以上も付き合っていて新が彼女と一緒に働くことを望んだんでしょ。それなのに、わたしを好きだなんておかしいですよね。避妊もしない浮気男なんて、それなのに泊まりにおいでって言ったり。もう信じられない」
「いや、花ちゃん」
花はいきなり立ち上がりバックヤードの扉を開くと
「もしかしてお義兄さんも、そういうひとなんですか!お姉ちゃんを裏切ったら許さないから。それに、もう新なんていらない。この最低兄弟!!大嫌い」
と高らかに叫んで走って言ってしまった。
俺が出て行くと、和也もお店に来ていた客も一斉に俺を見た。
「いや、俺はなにも・・・」
そう聞くと、小さく頷いた。
「まずは、新二と森川さんが10年以上付き合っていたことは本当だ」
ティッシュを持つ手に力が入る。
「ISLAND住販は元は森川住販で森川さんの父親が経営していたんだが、欠陥住宅問題により経営が立ち行かなくなり、ローン会社が森川住販を支援するかわりに森川さんを社長の愛人にすることで話が進んでいたんだ。新二は恋人である森川さんを救うために、森川さんと新二が婚約をすることで両親を説得して支援のためのお金をISLANDから出せないかと考えたが、森川社長がまだ学生だった新二では承諾できないと言ってきたため、新二がISLANDに入社するまで俺が仮の婚約者となった。もちろん、森川さんとは何の関係も持っていないし、そもそも俺は台湾にいたから会うことも無かった」
花ちゃんはずっと下を向いたまま聞いていた。
「ところが森川住販の件があまりにうまくいきすぎて1年早く本社に呼び戻され、そこで雪にあって一目惚れをしたんだ。そのころ、雪には恋人がいたから、ただみているだけだったが、雪がその恋人と別れたと聞いてモタモタしていては誰かに取られると思って新二と婚約者の交代をするまであと2ヶ月あったが告白をして付き合うことになったんだ」
「え?」
目も鼻も真っ赤にした花ちゃんが惚けたように顔を上げた。
「雪は森川さんが言ったような事はしてないよ、清廉潔白な人だから。花ちゃんが一番良く知っているでしょ」
泣きながらも大きく頷く
「よかった、お姉ちゃんを嫌いになりたくない」
「仮の婚約者を引き受ける上で条件をいつくか提示したが、ことごとく約束は破られ今回のように森川さんが雪を傷つけたから、もう森川さんと新二を守る必要がないと判断して全てを父に話して森川住販を潰すことにしたんだ」
「だから今はISLAND住販になったんだ。でも、今の話だと新二さんも約束を守らなかったってこと?」
うん。。。まずいな。
しっかりつっこんでくるあたりは雪に似ているかも。
「まぁそうだね」
「条件ってなんですか?」
「新二が入社したら婚約者を入れ替わることと、俺には一切関与しないということ」
「他には?」
何だか、食い下がってくるな。
「他とは?」
「だって、約束を破った内容としてはなんだか釈然とこないというか、新が直接関係するような約束は無かったんですか?」
どうする・・・
「何か隠してますよね」
はぁ、思わず息を吐く。
「俺の婚約者であるうちは妊娠はしないこと」
「えっ!新って子持ちなんですか」
「いや、この時は未遂というか」
「未遂?」
「そう、未遂」
あまりこういう生々しい話はしたく無かった。
一度目を閉じてから瞼を開くと、花ちゃんが怒っているように見えた。
「それって、新は避妊をしない人なの」
「は?」
「お姉ちゃんが避妊しない男はダメだって」
「え?」
「もう、どうしよう」
「いや、一応理由はあったと思うから、それは本人と話し合って聞いてみた方がいい」
「でも、新は彼女が好きなんでしょ。10年以上も付き合っていて新が彼女と一緒に働くことを望んだんでしょ。それなのに、わたしを好きだなんておかしいですよね。避妊もしない浮気男なんて、それなのに泊まりにおいでって言ったり。もう信じられない」
「いや、花ちゃん」
花はいきなり立ち上がりバックヤードの扉を開くと
「もしかしてお義兄さんも、そういうひとなんですか!お姉ちゃんを裏切ったら許さないから。それに、もう新なんていらない。この最低兄弟!!大嫌い」
と高らかに叫んで走って言ってしまった。
俺が出て行くと、和也もお店に来ていた客も一斉に俺を見た。
「いや、俺はなにも・・・」