タングルド
「じゃあ、乾杯でもしようか」

父が満面の笑顔でビール瓶を持ってグラスに注ごうした時
「「「「車!」」」」
と、綺麗なカルテットになった。

「そうか」と残念そうな父がかわいそうに見えて、「泊まってく?」と花に振ると「皆んなで泊まる?」と新二くんに確認をとっている。

「お邪魔じゃなければ、泊めて貰おうか?花の部屋も見たいし」

「じゃあ、決まりだ」と父は嬉しそうに花と新二くんのグラスにビールを注いだ。

「お姉ちゃんは?」

「今、禁酒中なの」

「何で?お姉ちゃんお酒大好きなのに」

「実は、お腹に」

「ええええええ!うっそ!!ママになるの!!」

父も敬子さんも驚いた顔をしたが、すぐにこれ以上ないほどの笑顔に変わった。

「おめでとう」みんなが一斉にお祝いの言葉をくれる。

「雪がお酒をやめているから、俺も一緒に禁酒中なんだ。だから、悪いけどお茶にするよ」

父も花も私も嬉しいことしかない、みんなが素敵な未来に向けて歩き出した。

「そろそろ食事を頂こう、敬子さんの料理、すごく美味しそう」

「そうだね」

そして、しばらくは食事を楽しんだ。
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