タングルド
トマトとモッツァレラチーズのパスタをパクパクと食べる。
フォークにクルクルと巻いて口に入れる度、至福の時間が訪れる。

「美味しい」

そして、鮮やかな赤い色のカクテルを一口。
スッキリしてたまらない。
和也さんが私のためにフォアローゼスでニューヨークを作ってくれたのだ。


Crowに入店すると和也さんは前回と同じカウンター席を勧めてくれて、これからカクテルを色々試してみたいと言った私の為に作ってくれたのだ。
美しいカクテルの写真を撮ってTwitterに上げると、すぐさまAyaさんからのいいねがついた。

「今日は賢一くんと待ち合わせ?」

「いいえ、賢一は用事があるとのことで一人で飲みに来ました」

「気に入って貰えたってことでいいのかな?」

「もちろん」

和也さんと他愛もない話をしているとスマホの通知音がして覗きそむとA yaさんからフォローの通知が届いた。

Twitterはそれほど頻繁にするわけでもなく、私自身が何かに反応するわけではなく情報収集のツールの一つとして捉えているのでやりとりをするのはほとんど学生時代の友人が主だ。
煩わしいことを避けるために社内の人には教えていない、茂には教えていたが先日ブロックしたので社内の人とのやりとりは無い。
賢一にはやっていることは伝えたがアカウントは教えていないし、彼はそう言う事には興味が無いのか聞いてこなかった。
自分から繋がろうとは思わないが時々、茂の繋がりで社内の人のツイートに気づくことがありその時はひっそりと見なかったことにしている。
茂にも私に対してのリアクションはしないでほしいと言っていたので何かの時はダイレクトメッセージを使用していた。
今は、完全に切れたけど。


Ayaさんは学生のようだし、私の生活圏内の人では無いし若い人の感性とかに触れる良い機会かも知れない。

Ayaさんにフォローバックした。
< 32 / 226 >

この作品をシェア

pagetop