タングルド
「今日、会社に来た?」

「ごめんね、茂は気持ちを言葉に出してくれないから不安になっちゃった。あの人に謝っておいて」

恵と話をするためにカフェで待ち合わせをした。
雪に何を言ったのか聞こうと思った、雪は恵と話した内容を言わず、自分が考えなしだったの一点張りだったから。

「気持ちって?」

「私ばかり好きって言っていて茂が言ってくれないから」

拗ねたように話す仕草も、媚びるような姿もイラつかせる。

「それは、好きじゃないから。付き合う時にオレは好きになるかわからないって言ったよね?そもそも短絡的な行動をとる人間とか無理だから、別れよう」

彼女の顔を見る気もおこらず、振り返る事なく店をでた。


その後、何度か連絡が来たが気を使う必要のない人間と思えば両親と同じように無関心になれる。
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