タングルド

今まで性行為にそれほどの意味を考えたことはなかった。
単純に欲求が満たされればいいし、それで“彼女”が満足していれば恋人としての役目は果たせた。
そう思っていたのに、初めて雪を抱いた時、今まで知らなかった感情があふれ出した。
好きな人との行為はこんなにも心が満たされるんだ。

研修の最終日にさっさと告白していれば無駄に5年間を過ごさなかったかも知れない。
雪がオレの名字を名乗っていたかも知れない。

でも、それは・・・オレの浅はかな行動でこの先もそんな未来は来ない。