タングルド
ずっと恋い焦がれていた人が俺の下で艶声を奏でている。
「おおしま・・くん」

耳たぶを甘噛みしながら「賢一です、雪」と何度もささやく。
雪から賢一という言葉がスムーズに出るまで、欲しがるところを愛しながら何度も名前をささやいた。
何度目かの絶頂を迎えるとそのまま気を失うように眠ってしまった。

今、俺の腕の中に雪がいる。

俺はきっと、とんでもなく間抜けな顔でニヤついているはずだ。

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