非常勤講師と受験生
その男性は驚いたように、「葵かっ?!」と言った。

その男性は確かに小林先生で合っていた。

「どうしたんだ?葵」

「屋台巡ってる時に先生を見かけて………」

「そういや、渡辺達と回ってるんじゃなかったのか?」

「友達には先に行っておくように言ったので(笑)」

「そうか(笑)それで、何の用なんだ?」

「いやー、ただ先生に会いたかっただけなんですけどー」

そう照れながら言った。

「俺も葵に会いたかった」

【ヒュ~、ドーーーン!!!】

「先生?何て言いました?」

私は、突然鳴り出した花火の音に気を取られてしまい、先生が伝えたかった言葉が入ってこなかった。

「いや、なんでもない………」

【ヒュ~。ドーーーン!!!】

その後も、数分間は花火の音で先生との会話が消されてしまった。
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