非常勤講師と受験生

十月

そして、金木犀の独特な匂いがしてくる季節になった。

私は、今月の行事の事で頭がいっぱいになっていた。

体育祭に文化祭等沢山の行事が待ち構えていた。

行事の練習で日々は過ぎていき、十月中旬。

愈々、体育祭の前日となった。

放課後、私は学級委員の為、同じ学級委員の荒城くんや小林先生と一緒に会場準備を進めていった。

小林先生はいつもとはまた違ったジャージを着ていて、テントを建てている姿が男前に見えた。

私も、テントを建てるのを手伝おうとしたが、「俺達先生でやるから大丈夫だよ。」と断られてしまった。

男性陣は力作業を、女性陣は事務の様な作業を其々進めていった。

篠中の先生や生徒のお陰で予定の時間よりも早く終わった。

私は、外はまだ明るかったが、小林先生に頼んで先生の車で送ってもらう事にした。

私は、急いで先程迄着ていた体操服から制服に着替え、帰る支度を済ませ先生の車へと向かった。
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