Re:habilitation study ~鬼指導教官にやられっぱなし?!
「きゃ~!!!! 真緒、聞いた?ねえ、聞いた?」
『・・・・・・』
岡崎先生の、至って冷静な、聞いているこっちが耳を疑うその申し出に
・・・何言ってるんだと言わんばかりに顎をしゃくり上げて声をひっくり返すお父さん
・・・あたしじゃなくて絵里奈と親子なんじゃない?とツッコみたくなるぐらいウキウキしているお母さん
そして
・・・あまりにも衝撃的な展開で、言葉が一切出てこないあたし
しばらく時間が止まっていた空気を強引にぶち壊したのは
「いつからだよ?! どこの人間だよ?! どこからどう見ても同級生とかじゃないだろう?」
お母さん曰く、生まれた時から真緒ちゃん激LOVEなお父さんだった。
始まったよ
お父さんの、具体的な説明を求める質問が・・・
これは長くなる
こっちが答えると、そこから深堀りして、証拠は?根拠は?って、1ミリ単位かよってぐらい精密な答えを求めてくる、メンドクサイ父だから
具体的な質問を好む傾向があるあたしでさえ途中で面倒くさくなるのに、
面倒なことが嫌いでせっかちな岡崎先生が
このお父さんと真正面から向き合うことなんて想像できない
『だからお父さん、また後で説明するから、今は』
だから卒業式のあった大学構内で喧嘩沙汰とかはどうにか回避しようとしたあたし。
そのあたしの肩にそっと触れた大きくて温かい手に言葉の続きを遮られた。
「ご挨拶が遅れて大変失礼致しました。僕は名古屋南桜総合病院で作業療法士をしている岡崎伊織と申します。」
ここにいる人間の中で一番冷静であたしが大好きな声に。