Re:habilitation study ~鬼指導教官にやられっぱなし?!



「真緒のお母さん、流石だな。KOされて屍になった男よ、邪魔だから行くわよ・・には痺れたな。」

『・・・お、恐れいります。』

「それだけじゃなくて、2年も待っていたという俺の言葉も聞き逃さなかったとこもな。」

『あ~そうそう・・・なんで2年なんですか?実習は1年前だったのに・・・』


しまった、鋭いところを突いてきた・・と見透かせてしまえるような彼の苦笑い。
しばらく、彼はう~んと考えこんだ後に

「その答えは・・・今は答えられない。」

となぜか答弁拒否。


『じゃあ、いつ教えてもらえるんですか』

「それこの後、真緒から俺に投げかけられる質問の内容次第だな。質問全部言ってみろ。」

『えっと・・・なぜ、右手の薬指にスワンネックスプリントを作ってくださったのか・・と、スプリントに手彫りしてあったアルファベットの意味・・とか・・・左手薬指のお手製指輪はいつ作ったのか・・・と・・・いつからあたしのことを好きだったの?・・とか。』


またまた、う~んと考え込む彼。


「それらは・・だな・・・全部、今は無理だ。」

『なんで今は答えられないんですか?』

「・・・ふたりきりのところで答えたい。」

『今、ちょうど、この辺りには誰もいませんよ。』

「・・・お天道様の下では言えない・・・」

『じゃあ、今が無理ならいつ?』

「・・・これを・・・」


躊躇いがちにスーツのポケットに手を入れた岡崎先生。
そこから出てきたのは、少し潰れている焼豚チャーハンおにぎり1個。


『懐かしい・・・これを・・なんですか?』

あたしは想い出のアイテムのひとつの、焼豚チャーハンを岡崎先生から奪い取り、まじまじと見ながら彼に問いかけた。

「・・・これを・・・真緒とふたりで明日朝に・・食べる前・・に・・・」

『明日朝・・・ですか?』


焼豚チャーハン = 朝帰りの朝に食べるもの
しかも岡崎先生と一緒に

しかも、“朝ごはん食べる暇がもったいないぐらい、ヤる男”と言われた岡崎先生と?????


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