Re:habilitation study ~鬼指導教官にやられっぱなし?!
【Study4:ケースバイザーは神?!】
【Study4:実習4日目】
「真緒~、朝からどうしたの?」
『指のROM定規の使い方がわからない・・』
「指、貸してあげる~。」
起床後、朝食のトーストを齧る絵里奈の左手を借りて、使ったことがない指の関節可動域測定用定規で測定の練習をする。
「ここに当てるんだよ。」
『絵里奈、なんでわかるの?』
「昨日、松浦先生の手を借りてやらせてもらったの。松浦先生、手もきれいなんだよ~。岡崎先生は教えてくれないの?」
相変わらずの取り扱い上での格差にがっかりするが
絵里奈は悪くない
羨ましいけれど
『教えてくれない。岡崎先生から教えてくれるほうが奇跡。』
「大変だね~。」
『でも、レポートのどこがダメかは、昨日ようやく教えてくれた。』
「そうなんだ~。よかったね。」
絵里奈は笑顔で、真緒もトースト食べなよとジャムがたくさん塗ってあるトーストをあたしの目の前に置いてくれた。
昨晩、ようやく岡崎先生がレポートの書き方を教えてくれたおかげで、ようやく手応えを感じ始めたあたしはトーストを齧りながらROM検査のやり方を教科書で必死に覚えこむ。
「真緒・・・」
「ん?」
「・・・なんでもない。早く食べて出発だよ!」
慣れない検査実技の勉強に没頭。
そんなあたしだったから
絵里奈があたしに何か言おうとしていたことに気を遣ってあげられていなかった。