Re:habilitation study ~鬼指導教官にやられっぱなし?!
『・・・えっ?それ・・・えっ???』
「真緒・・・俺、いい大人が、節操ないよな・・・・やっと迎えた今日で、真緒を大切にしながら少しずつ・・って思っているのに・・・でも、ホクロとか・・かわいすぎるだろ・・・」
『・・・ホクロ・・・どうしよう・・あたし・・・』
恋愛経験なしのあたしにはちょっと刺激が強い話でちょっとパニック。
暗い夜道で彼の表情ははっきりとはわからなかったけれど、そんなあたしの横で歩いていた岡崎先生も悩まし気な気配が感じられた。
「あ~、余計なこと言ったな、俺。真緒。今日は何もしないから安心しろ。」
その証拠に、岡崎先生の“今日は手は出しません”宣言。
恋愛経験ナシなあたしのことを大切に想っていてくれるんだな・・って嬉しくも思ったけれど、
名古屋在住の岡崎先生と次はいつ会えるかわからないあたしは、彼に最も近い場所で今日という日を終えて新しい明日を迎えたいと強く願ったあまりに、
『あの~・・・今日は、お日柄も良く・・・ホクロもきっと・・・かわいく見える・・か・・と・・・』
手を出しません宣言を出したはずの岡崎先生の宣言撤回を誘導。
その結果
「ホクロ、かわいく見える?・・・決定だな。行くぞ、真緒。」
『えっ、即決?』
「もちろんだろ。」
実行即決を招く事態に。
自分でその事態を誘導したくせに
いざそういう事態が決定となると、どうしていいのかわからずビクビクしてるあたしもいて
でも、自分で今日の夜は彼と一緒に・・・って決めたんだ
こういうあたし、初めてだけど、でも
どうなろうとも、ただあたしが岡崎先生を求めている
あたしは絶対に間違っていない
『じゃあ、少し屈んで下さい!』
「こう・・か?」
『そう!! はい、よくできました。』
自分が間違っていないことを証明するために、腹が決まったあたしは自分から動く。
もう恐いものなしのあたし。
あたしの指示通りに彼が背の高いその体を前に屈めてくれた瞬間、思い切って彼の唇にあたしの唇をそっと重ねた。
あたしの人生初のファーストキス
それは
かわいいホクロ、ちょっとだけ見ていいよの印
あたしが岡崎先生を求めていますの印
・・・となる覚悟成分100%のキス
その唇をゆっくりと受け止めた彼は、黙ったままあたしの手を引き、予約してあったホテルの部屋のカードキーでドアの鍵を開けた。