Re:habilitation study ~鬼指導教官にやられっぱなし?!




『・・・んン・・・』


覚悟成分100%のキスをあげたあたしに返ってきたのは
覚悟成分100%プラスαで、大切にするという彼の想いがたくさん含まれている糖度の高い彼のキス。


唇に、鼻先に、上瞼、おでこ
ひとつひとつ丁寧にキスしていたかと思えば
耳たぶを甘噛み

つい肩がビクッとなったあたしに
首筋にも甘いキスを落とす

その甘さを堪えきれずにベッドに腰掛けると
彼はちょっとあたしが心配になったのか、隣から顔を覗き込む

その優しさにほっとして、やっとひとつ息をしたあたしに
安心したようにふっと笑みをこぼした彼はおでこにひとつキスを落としてから、なだれこむようにあたしをベッドの上に横たわらせる。


「真緒・・・目、閉じていて。」


彼があたしに目を閉じるように甘く命令する時は、何かを始める合図であり、俺に委ねろという合図。


去年は実習最終日の別れ際、スワンネック指変形スプリントを嵌めるためにあたしの右手薬指だけに触れた彼。
でも今の彼は、あたしが着ている衣服をゆっくりと脱がせてくれていて。

袖の腋下部にひっかかってしまったあたしの肘を彼がするりと引き抜いただけでなく、手慣れた様子で彼に外されいる自分のブラジャーを見て、自分の経験のなさと経験豊富であろう大人な彼とのギャップに胸が痛くなる。


「真緒・・・俺もここからはわからない。大切に抱く方法なんて・・・今までしたことなかったから。」

でも、あたしの胸を切なくしたそのギャップはそうやってちゃんと埋めてくれて


「だからひとりで戸惑わなくてもいい・・・一緒に・・戸惑えばいいんだから。」

一緒に・・という彼の言葉によっても
背伸びをしなくてもいいんだとも安心させられた



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