Re:habilitation study ~鬼指導教官にやられっぱなし?!
でも、
「こんなところで再会するなんて・・・」
『絵里奈?』
「元カレの元彼女。」
土曜日午後。
実習休みで1週間お疲れ様会を
焼肉食べ放題のお店でふたりでやっていた時。
絵里奈がビールを飲みながら、肉を網の上でひっくり返しながらぽつりとつぶやいた。
『元カノ?』
「そう。」
『はっ?』
「長野先生。」
長野先生と絵里奈、接点あり?!
「どういうこと?」
普段、岐阜県内、しかも飛騨地方にある大学で学んでいるあたし達
この病院のある名古屋までは、気軽に通える距離じゃない
そんな距離なんてなかったような偶然に驚かずにはいられない
「長野先生、あたし達の先輩なの。」
『ウチの大学?!』
「3才上のね。」
この病院のリハビリスタッフは総勢50人を超える大所帯。
その中でも、名前と顔が一致するのは、関わりのあった先生達ほんの数名。
長野先生もケースバイザーと担当学生という繋がりでようやく顔と名前が一致するようになった人なのに。
3才上ということは、あたし達が1年生だった時に長野先輩は4年生だったってこと?!
『1年生と4年生って、そんなに関わりないんじゃ・・・4年生、就職活動とか、卒論とか国家試験勉強で忙しいんじゃ・・』
「図書館でね、書庫の場所がわからなくて、ウロウロしていたら、声かけてくれたの・・・それが元カレとの出逢い。」
いつも明朗活発な絵里奈らしくないしおらしさ。
さすがに心配になる。
『えっ?元カレって、絵里奈が長野先生から奪ったの?』
「奪ったというか、あたしは元カレに誘われたというか・・・・知らなったから。長野先生と元カレが付き合っていたことを。」