Re:habilitation study ~鬼指導教官にやられっぱなし?!
「約束?」
視線を逸らしていたはずの彼が不思議そうな顔をしてあたしのほうへ向く。
『そうです。スプリントを一緒に作るっていう約束!!!』
「あ~、そういえばそうだったな。実習中にやるはずだったよな。」
岡崎先生はスプリントを一緒に作るという約束は覚えていたみたい
実習中にその約束を果たせなかったのは、岡崎先生に手首を掴まれたことがきっかけとなり激しい動悸に見舞われてしまい、朝まで眠ってしまったから
その際、岡崎先生はあたしに付き添って朝まで一緒にいてくれた
今から思えば、その時のあたしも羨ましい
彼とお付き合いし始めても、一緒にいる時間はまだまだ本当に少ないから
『そうなんです。あの時はあたしがダウンしてしまって・・・それに、今日名古屋へ来たのは、表向きは勉強目的なので、スプリント作りを教えてもらうのもいいかな~なんて・・・』
「でも、せっかくの休日、しかも誕生日に仕事関連のことをするなんて・・・俺は全然いいけど、真緒はそれでいいのか?」
そう問いかけている彼はじっとあたしの瞳の奥を覗いてくる。
本当にそう想ってる?と窺っているような目で。
本当はエッチしたいですよ
すごくすごく・・・
大好きな岡崎先生にとろとろに溶かされてめろめろにされたい
だけど、それと同じぐらいやりたいのは
作業療法士としては雲の上の存在である彼に教わりながらスプリントを作ること
『いいんです!!!最高の誕生日になりそうです。』
そのねがいが1年越しにかなうかもしれないなんて
最高の誕生日になる
間違いない!!!
「りょ~かい。でも、うちにはスプリント素材も道具もないから、南桜病院行くことになるけど?」
『久しぶりに行きたいです!!!!』
「お~けい。」
久しぶりに耳にした、岡崎先生の“お~けい”
実習中にもらったそれは鬼指導教官の岡崎先生による甘じょっぱい“お~けい”だったけれど
今の“お~けい”は、ぴよ〇んに負けないぐらいの、あたしの恋人である岡崎先生の甘いあまい“お~けい”
それにニンマリしながらあたしは彼と一緒に、彼が今も従事している病院へ向かった。