Re:habilitation study ~鬼指導教官にやられっぱなし?!
「さあ、湯切り上等で湯冷めする前に寝ろ。」
『はい・・・でもどこで?』
「寝室にベッドを用意してある。桜色の枕を置いておいたからそのベッド使っていいぞ。」
『でも・・・岡崎先生はどこで?』
「寝室。でもちゃんとベッド2つあるから安心しろ。」
『・・・ベッドふたつ・・・』
「俺、風呂入ってくるから先に寝ていてもいいぞ。真緒、朝早かっただろうし、いろいろあって疲れているだろうから。」
同じ寝室でベッドふたつという現状。
それに対してあたしが戸惑うことを予想していたのか、そう言った後、あたしのぐだぐだ質問を聞くことなく、彼は浴室へ消えていった。
『あたしの疲れとか気を遣ってくれているんだ・・・鬼指導教官時代とは大違いで優しすぎる・・・・』
まさかの般若岡崎の・・・優しすぎて難攻不落
そんな彼にあたしは白旗を挙げて、彼が準備してくれた桜色の枕が載っているベッドに潜り込んだ。
『このTシャツもぶかぶかだけど、このジャージもちょっとぶかぶか・・・っていうか、これ、もしかして、ハーフパンツサイズ?!』
ベッドに横たわった際に感じたのはジャージがズレた感覚。
ルームウエアのズボンの代わりに借りたジャージはあたしには7分丈なんだけど、彼にとってはどうやらハーフパンツらしい。
こうやってひとつひとつだけど彼を知っていく自分だけど
今日の緊急手術でカッコ良すぎて少し遠い人に思えてしまった彼に
少しでも近付きたいという悪あがきから
『悪あがきも悪くない・・・よね。あの日詠先生も悪あがきしているらしいから、あたしもする!』
少し隙間が空いていた岡崎先生のベッドとあたしのベッドをぴったりとくっつけてからもう一度ベッドに潜り込んで、気がつかないうちに眠りに落ちた。