Re:habilitation study ~鬼指導教官にやられっぱなし?!
【Study9:チーム長谷川(さん)結成日に感じた制御できない胸の動き】
【Study9:実習10日目】
『長谷川さん、おはようございます。リハビリ学生の神林です。』
「・・・・・」
昨日、あたしが挨拶したけれど返答を頂けなかった手の外科症例候補である長谷川さん。
彼を整形外科病棟のデイルームで見つけ挨拶をした。
デイルームとはナースステーションの傍にある共有スペース。
ここで食事を摂ったり、面会者と談話することができる場所。
そこで右手を三角巾で吊り下げたまま立って窓の外を黙って見つめていた長谷川さん。
背後から声をかけたこともあってか返答がない。
考え事でもされていて聞こえなかったかもしれないと、今度は彼の視界に入って挨拶しようと身を乗り出そうとした瞬間、背後から肩をポンポンっとそっと叩かれた。
振り返るとそこには首をゆっくりと横に振りながら、こっちへおいで手招きをしている見覚えのある白衣姿の男性の姿あり。
彼の手招きにつられて向かった場所はナースステーションの隣にある処置室。
そこにある丸椅子に腰かけるように勧めてくださったのは
岡崎先生に変態扱いされている整形外科医師の森村先生。
カチコチと音を刻むアナログ壁掛け時計の音が響く中、
「マオちゃん、長谷川くんの担当になるんだって?」
『・・・なる予定なんですが・・・まだなれていません。』
あたしの歯切れの悪い返答を心配したのか、森村先生は眉を下げながら小さく口角を上げた。
岡崎先生と焼きそばパン食べ友であり、岡崎先生からは変態烙印を押されている森村先生なのに
白衣姿のせいなのか
ここが処置室という場所だからなのか
「なかなかとっつきにくいでしょ、彼。」
今はお医者さんらしい空気を纏っている。