Re:habilitation study ~鬼指導教官にやられっぱなし?!
【Study10:(1)実習10日目午前:アメとムチ・・アメのほう】
【Study10:実習10日目午前:アメとムチ・・アメのほう】
「手の外科の症例、大変そうだってね。今日、こっちの症例の追加評価、延期する?」
結局、森村先生と話をした後、手の外科症例の長谷川さんのところに再び伺うことができなかったあたし。
それだけでなく、岡崎先生に、後ろに倒れかけた自分の背中を支えてもらった時に感じた制御できなかった胸の動き・・・それが何か悪い病気かもしれない
そんなことを考えていたら頭もぼんやりしてきた感じがする
少しでも頭に酸素を送ろうとはぁ~っとゆっくりと息をする。
ちょっとだけスッキリしたらしいあたしは電子カルテで症例患者の前島さんと長谷川さんの看護記録を確認していたら、下柳先生に声をかけられた。
長谷川さんのレポートが全く進んでいない現況での下柳先生からの、ありがたい申し出。
どう考えてもその申し出に乗ってしまったほうが
長谷川さんの評価レポートにじっくりと取り組めるし
自分自身も楽だ
でも、現在実習10日目
実習期間残り8日
それまでにレポート2例を仕上げて症例発表までしなくてはならない
『いえ、前島さんの評価も今日やらせて頂きたいです。』
日数を逆算すると
この申し出に乗ってしまうと実は楽ではないことが明らかだ
あたしが無理していることが伝わったのか
下柳先生は心配そうにあたしを覗き込む。
瞳の奥までじっと見つめられたせいか顔が勝手に赤らむ。
その状態に耐えられなくなりつい目を逸らしたあたし。
そんなあたしの異変を知ってか知らずか、下柳先生は
「よし、わかった。で、神林さんは和食、中華、洋食、どれが好き?」
という謎な問いかけをしてきた。