Re:habilitation study ~鬼指導教官にやられっぱなし?!



確かに物理的には草取り&廃品回収よりもレポート書くほうが楽ですよ
でも、心理的には草取り&廃品回収のほうが100%楽なんです
般若みたいに言ってみたいものです
レポート書くほうが楽だって


「・・・そうだ!!!俺がまおのレポート書くから、まおが草取りと廃品回収に参加するっていうのはどうだ?・・」

『へっ?』


あたしの心の中での嘆き、聞こえた?
でも、さすがに冗談だよね?
般若がレポートを書いて、その対価としてあたしが町内会活動に借りだされるなんて


「よ~し・・・」


岡崎先生はそう言いながら、手に持っていたコピー用紙にマジックペンでキュッキュッと音を立てながら、大きく“レポート まお作”と書いてあたしの目の前に差し出した。


『・・・これ・・・レポート・・・ですか?』

「交渉成立だな・・・あっ、俺、松浦さんから、明日のレイナさんの代行訓練を頼まれていたから、申し送りを聞きにもう行く。俺はレポート作成の任務終了したから、まおは草取りと廃品回収宜しくな。」

『あの・・・レポート・・・任務終了?!』

「ああ、コレ?やるわ。じゃ、健闘を祈る!」


くくっと笑いながら立ち去っていった意地悪悪魔般若。

手渡された“レポート・・・まお作”という紙。
マジックペンのインクが少なかったせいか所々字が擦れている。
しかも読み方によっては、カナカナの“レ”がひらがなの“し”に見えるぐらいいい加減な走り書き
お世辞でもきれいな字とは言えない。
誰がどうみても臨床実習症例レポートには見えないそれ。



「くそ~。どこに住んでいるのかも知らないのに・・町内会活動に参加なんかできないっ~つ~の!」


あたしはその偽物症例レポートを右手でくしゃりと握り潰してから、とりあえずケーシー(半袖丸首襟の白衣)のポケットに入れ、本物の長谷川さん症例レポートを書けるようにするために長谷川さんの病室へ向かった。



< 45 / 226 >

この作品をシェア

pagetop