Re:habilitation study ~鬼指導教官にやられっぱなし?!




岡崎先生のふざけた応対のせいで、神経が変に高ぶっていることもあってか、足が竦むことなく長谷川さんの病室の前に到着。


長谷川さんの病室は個室タイプの部屋。
ドアの前には“面会者は入室前にナースステーションへお申し出下さい”とのカードがフックにかけられている。
この患者さんの対応には慎重な配慮が必要です・・・そのカードがそう言っているように思えたあたしは今になってドアをノックする手に力が入らない。


『手が冷たいせい・・・だよね?』


また拒否されたらどうしようという不安なんか抱いていない
手が冷たいからだ
と、ドアをノックできない言い訳を自分に向かってする。
でも、そう言っている間に手も震え始めた。


『もう!!逃げずに頑張るって決めたんだから!!!!』


焦る気持ちを抑えるために強気の発言をしてみたけど
やっぱり手の震えは止まらない。

この震えをどうにかしたいと慌てて白衣のポケットに手を突っこんだ瞬間、
中指と薬指の間でピリッと感じた痛み。


『しまった。紙で指を切った・・・血、出てるかな?』


急いで指を確認すると、やはり中指と薬指の間の皮膚がスパッと切れている。
そこから少し出血もしていて。
メモ帳に挟んである絆創膏をケーシーのポケットから取り出そうとした際に再び同じような感触あり。

『あ~、コレ、先に出しちゃわないと、また指が切れちゃう・・・ん?』

もうこれ以上切り傷を作らないよう、その原因となっている、ついさっき勢い良く丸めてポケットに突っ込んだコピー用紙をようやく取り出した。


ほんの微量だけど出血した血液がついてしまったそれ。
他の部分にも血液がついてしまわなかったかを確認しようとして、丸めてあったその紙を広げた。


『・・・・そのほかのところには血、ついてないや・・・でも、確か血液が付いたものを捨てる時は感染リスクゴミ箱に入れるように言われて・・・・あれ?』


その紙を再び丸めようとした瞬間、気がついた。

『できる。真緒なら・・・って?!』

“レポート・・まお作”というマジックペン擦れ文字で書かれた紙面の裏側に達筆なボールペン文字で書かれたその文字を。


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