Re:habilitation study ~鬼指導教官にやられっぱなし?!

「あ~、帰って、クソして風呂入って寝よ!まおも今日は早く寝ろよ~」


はあ・・クソして風呂入って寝よって・・・勝手に幕引きするの?
やっぱり酔っ払いだな

完全に戦意喪失
般若、この調子だと、どうせ月曜日には覚えていないだろうし

ま、なんか面白かったからいっか!


『はい・・あたしもクソして風呂入って寝ます!』

「クソしてって・・バカだな~、それじゃ、お疲れさん、まお。」


さっきの、聞いているこっちが寂しくなるような“おやすみ、真緒”とは真逆の、いつもの般若らしいドライな、“お疲れさん、まお”


『お疲れ様でした。また月曜日からも宜しくお願いします!』

「りょ~かい!」


そう返事をしながら背中を向けてバイバイと手を振り千鳥足で歩き始めた般若岡崎先生。

完全に戦意喪失したあたし。
この時のあたしは、焼肉屋から寮までの道中で、岡崎先生がふらつくことなく歩いていたことをおかしいと思うことなく、さっきみたいに彼の上着の裾を今度は掴むことなく・・・小さくバイバイと手を振りながら彼の姿が見えなくなるまでその背中を見送った。


『般若、酔っぱらうとかわいいとこあるじゃん・・ターバン巻きとか、何、コレ。』


塩対応&鬼指導であり、できれば関わりたくない人種だった岡崎先生の、
また別の、いろいろな顔を見てしまったせいで、


『ちょっと、岡崎先生のリハビリ、ちょっと見てみようかな~・・邪魔だって言われても!』



彼のことをもっと知りたい

純粋にそう思う自分がいた。



実習12日目


紳士で憧れ的な存在である下柳先生との、勉強になって楽しかった貴重な時間イコール半日以上

それをいろいろやらかしてくれて、たった15分足らずで、下柳先生と過ごしたあたしの貴重な記憶にさっさとその強烈な存在感を上塗りした般若岡崎先生

そんな彼をもっと知りたい
酔っ払い般若と同様に、今日ちょっと頭がおかしかったらしいあたしはそう思って目を閉じた



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