Re:habilitation study ~鬼指導教官にやられっぱなし?!
【Study13:恋愛上級者の難攻不落物件?!】
【Study13:恋愛上級者の難攻不落物件?!】
「真緒、昨日は下柳先生との焼肉、どうだった?」
実習が休みの日曜日の朝。
つい寝坊をしたらしいあたしは肩をやや乱暴に揺すられながら起こされた。
『たのひ・・かったほ・・えりにゃ・・のほうふぁ?』
半分まだ眠っているあたしは酔っぱらっているみたいに呂律が回っていない。
あまりにもそれが酷かったようで、今度は彼女に頬を突かれる。
「も~う、真緒ってば!あたしは長野先生にイタリアンへ連れて行ってもらって、美味しかった!元カレの愚痴で意気投合して楽しかったよ~。」
『へえ~・・もっふぉ・・仲良きゅなったんふぁ・・・ほかった・・へ!』
あたしが帰宅した時にまだ帰ってきていなかった絵里奈。
レポート作成で慢性寝不足な体が焼肉で満腹になったせいで、彼女の帰宅を待てずに眠ってしまった。
あたしよりも寝るのが遅かったはずの彼女。
その彼女に早く起きろと頬を突かれたことでやっと頭も目覚めてきたあたしは彼女の嬉しそうな顔に安堵する。
「あたしはいいの!で、焼肉の後、どうなったのよ~」
『へっ?どう・・なったって?』
「だって焼肉デートの後だよ?何があってもおかしくなさそうじゃん。」
ようやく呂律が回り始めたあたしを明らかにウキウキした顔で煽る絵里奈。
『あ~、盛りのついたオスだったら食われてたぞって怒られた。』
「えっ?下柳先生、そんなこと言ったの?嘘~!!!!!なんか、理性でなんとか堪えたみたいな言い方じゃん。下柳先生、プライベートでも紳士なんだね!いきなりエッチに持ち込むとかしないとこなんか!!!」
『は?』
あまり深く考え込まずに昨晩自分が言われた言葉を報告したこと
それを今頃になって後悔
もうなかったことなんかにはできないだろう・・・
「ホント正解!恋愛興味なしだった真緒にいきなり真っ向勝負しちゃダメだから、うんうん正解だよ!下柳先生、やるう~。下柳は今、彼女いないって長野先生も言ってたし。」
『えっ?』
「大丈夫!長野先生は世話を焼きたくなるようなヘタレ男が好きだから、なんでも完璧な下柳先生は恋愛対象外だって!確かに元カレもそういうタイプだったな~。」
『ほえ?』
勝手に盛り上がって、長野先生まで登場させてきた絵里奈は本当に楽しそう
ずっと、勉強ばかりして恋愛興味ないの~?ってあたしに言い続けた親友だからそんな状況になっても仕方がない
「真緒が自ら興味を持った男で、しかもちゃんと手順を踏んで恋を進めてくれそうな下柳先生、いいじゃん!」
『ちょっと・・・?』
「恋愛上等の絵里奈様が認める!下柳先生は優良物件だ!だから実習終わる時にこっそり連絡先を聞きな!」
『・・・連絡先?!』
「そうそう。もし、そんな大胆なことができなければ、あたしが長野先生経由でなんとか連絡先聞いてあげる!真緒のためならひと肌脱ぐよ!まっかせなさ~い!!!!!」