Re:habilitation study ~鬼指導教官にやられっぱなし?!
『あっ、今日はまだ森村先生に棚オールで買い占められてない!』
病院内のコンビニのパン売り場。
病院近隣のパン専門店から仕入れていて、森村先生による嫌がらせ棚オール購入されるメロンパンが置かれた棚の前で残り1個のメロンパンの存在を目視で確認する。
『でも、栄養ドリンク、選ばなきゃ・・・』
目視で確認したことに安心し、油断してしまったあたしは、メロンパンを手にしないままその棚から離れ、栄養ドリンク棚に移動。
目がガチで醒めるぜ!元気100倍チャージ!というパッケージが目立つ栄養ドリンクを手に取り、メロンパン棚に戻り、そこにまだ残っていたメロンパンに手を伸ばした瞬間だった。
あたしの手よりも先にパンに到達している大きくて指の長い手。
「お~っと・・・!」
『うわっ!』
あたしのびっくりした声と重なったなんだか癒される低い声。
「ごめんなさい。もしかして手、触れてしまいましたか?」
『いえ、触れていないですよ。』
「あっ、もしよろしかったら、これ、どうぞ。」
『・・・・でも、お買いになるつもりだったのでは?』
「僕はいつも食べているから大丈夫ですよ。どうぞ。」
優しい瞳であたしを見ながらそのメロンパンを差し出してくれたのは、岡崎先生並みに背が高くて肩幅の広い白衣姿の男性。
見ているこっちが引き込まれるような切れ長の目
しゅっと締まっている顎のライン
小さくて薄い唇
面食いではないあたしでも
『こういう人が超国宝級イケメン・・・』
なんて均整の取れていて、綺麗で、惹き込まれる魅力がある顔だろうと見入ってしまったその人。
あたしのその呟きに驚いた表情を浮かべる彼の背後から
「こいつは、超国宝級イケメンじゃなくて、リアルMr.名古屋医科大学殿堂入りの人物よ~。」
と言いながらひょっこりと姿を現したのはベテランらしい貫禄のある看護師さん。
「福本さん・・僕はそんな器ではないって今でも思っているんですから・・・それはあまり言わないって約束では?」
『ナオフミくん、別にいいじゃな~い。本当のことだもん。このお嬢さんも納得してるわよ。この人、Mr.名医大殿堂入りした人なんだって。そうよね、お嬢さん!』
福本さんと呼ばれている看護師さんに同意を求められたあたし。
『納得です!』
即同意をしてしまうぐらい目の前にいる白衣姿の男性はカッコ良し
自分はそんな器ではないとはっきり言い切る謙虚さもカッコいい