Re:habilitation study ~鬼指導教官にやられっぱなし?!
そして、病院内コンビニであたしは再びひとりになった。
『メロンパン、買うつもりだったお金、浮いた・・・せっかくだしエナジードリンクも買っておこっか。』
「じゃあ、この前のツナマヨおにぎり、買って返してくれてもいいぞ。」
『ひっ!・・・・・・・』
昨日の夕方はカンファレンス、今朝は整形外科森村先生からの急な打ち合わせ呼び出しで全く顔を合わせていなかった岡崎先生が背後から声をかけてきた。
彼が朝帰りの件を肯定しながらも否定もしたまま、その後、言葉を交わしていなかったせいで、どう顔を合わせていいかわからない。
だから、一瞬声を上げてしまったけれど聞こえていないふりして振り向かずにいた。
「真緒、聞いて。」
さっきのツナマヨ返却希望申し出の、涼し気な声とは異なる、真面目な声。
「昨日の、朝飯抜きの理由。」
『・・・・・・・』
振り返って聞きたい気持ち・・半分
耳を塞ぎたくなるようなことを聞かされるかもしれないという気持ち・・・半分
だから、動けないあたし
「食事に誘われたのは、ホント。」
本当なんだ
整形外科病棟の事務職員の女性に食事に誘われたのは・・・
あたしも長谷川さんの臨床検査ファイルからの情報収集目的でナースステーションに寄った時に、その人と短時間だけど関わって頂いた際、器量よしスタイル良し、のハイレベルな美人だった
そんな美人に誘われて
急にガードが緩い岡崎くんが復活していたらきっと
朝ごはん食べる暇がもったいないぐらい・・ヤることは
充分想定内なんじゃない?
『あ~、いいです。その件はもう。』
「いいから聞け!」
『なんであたしが聞かなきゃいけないんですか?』
彼に背中を向けたままそう言いながら、あたしは勢いで耳を塞ぐ。
でも、岡崎先生が真剣な声であたしに聞いて欲しいことに耳を傾けないこと・・・本当にそれでいいのかという気持ちも混在しているあたしもいて。
「・・真緒には・・誤解されたままでいてほしくない・・・から。」