Re:habilitation study ~鬼指導教官にやられっぱなし?!
「伊織、お前、どういうつもり?」
「だから、今、言った通りです。」
「でも、今、神林さんにはレイナさん役になってもらって、後療法の手技の練習をしていたんだけど。」
『真緒はレイナさんに似ている・・だからダメなんです。』
岡崎先生の、今のこの言葉
解釈が難しすぎるよ
自分のこと、買い被りすぎかもしれないけれど
あたしがレイナさんの代わりをすることによって
日詠先生があたしのことを気に入ってしまう
・・みたいに聞こえちゃう
「伊織、あのな~、これは大事な練習であって・・・・」
「真緒を・・・真緒をどうにかしていいのは、俺だけです。」
「伊織・・お前・・・」
あたしをどうにかしていいのは俺だけって
だから、あたしは所有物とかじゃないのに・・・
でも、聞き方によっては
あたしを独占できるのは俺だけ・・・って聞こえてしまう
もうホント、勘違いしてしまいそうなぐらい難解すぎる
岡崎先生の紡ぐ言葉の数々は・・・
「日詠先生、本当にすみません。時間がないので、彼女をもう連れていきます。真緒、リハビリ診察室へ行くぞ。」
『は、ハイ!!!!』
余程急いでいたのか、あたしは岡崎先生に手を掴まれて立ち上がらされた。
瞬時に感じた自分の手首の強い痛み。
でも、その直後。
ドクンッ~!!!!!
「真緒?!」
「神林さん?!」
自分でも何が起こったかわからないぐらい胸が疼く。
自分の手を当ててもどうにもならないぐらい
「真緒っ!!!」
岡崎先生があたしを必死に呼ぶ。
それと同時にあたしの手首を掴んでいた彼の手が放れ、
グリーンウッドの爽やかな香りが鼻を掠め、視界が遮られた。
あっという間に岡崎先生の腕の中にすっぽりとおさまってしまった今、
もっと胸が疼いて今度はとうとう息ができなくなった。