パリの空の下、極上セレブ御曹司の貴方に今日も甘やかされてます
 わたしの学校が始まれば、さらに顔を合わせることも少なくなる。

 でも、そのほうがいい。
 一緒にいすぎると、『偽装婚約』という、わたしたちの本来の関係をつい、忘れてしまいそうになる。
 優しすぎるルイに、無駄な期待を抱いてしまう。

 彼は、わたし用に二間続きの部屋を提供してくれた。

 ベッドルームと机のある小さな書斎。
 そのほかに、わたし専用のクローゼットとシャワー、トイレ、洗面室もついていた。
 その水回りの改装に時間がかかったらしい。

 相変わらずの好待遇。
 お祖母さんへの挨拶ぐらい、ちゃんとこなさなきゃ。
 本当にバチが当たって、ベランダから落ちてきた鉢植えに頭を直撃されかねない。
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