パリの空の下、極上セレブ御曹司の貴方に今日も甘やかされてます
 ルイのお祖母さん、うちのおばあちゃんみたいに厳しい人なんだよね。
 しかも、わたしが本物のフィアンセならまだしも、そうじゃない訳だし……

 わ、やっぱ、無理ーーーっ。
 怖いーーーっ。

 わたしは思わずルイの腕をつかみ、ぐいぐいと後ろに引っ張った。
「どうした?」
 
「怖くなってきて……足がすくんで」
 ルイはわたしの手をほどくと、腰に手を当ててため息を吐いた。
 
「いまさら何を言ってる。まったく困ったla bébé(赤ちゃん)だな」

 ルイはわたしの手をぎゅっと握って、有無を言わさず引っ張っていった。
「ちょっと、ルイ。手、痛い」
 そう言っても、彼は聞く耳持たず。

 それにしてもla bébé……ねぇ。
 とうとう〝ガキ〟から〝赤ちゃん〟に降格かぁ。
 オーマイガー。
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