パリの空の下、極上セレブ御曹司の貴方に今日も甘やかされてます
 そんなわたしの様子を、ルイは楽しそうに笑って見ている。
「いっぺんで機嫌が直ったな」
「あんまり単純すぎてバカだと思ってます?」
「いや、薫らしくていいよ。やっぱり一緒に来てよかった。人が幸せそうな顔をしているのを見るのはいいな。こっちまで嬉しくなってくる」

 目を細めるその表情は、まさに親が子供を見る目つき。
 はいはい。わたしは赤ちゃんだもんね。
 それなら思いっきり子供っぽく振る舞おう。
 それで、ルイが喜んでくれるのなら。

「ねえ、ルイ。早く登りたいな」
 気が急いて、今にも駆け出しそうなわたしに、彼はまた微笑みかけた。

「よし、じゃ、行くか」

 ルイは速攻で、2階展望台にあるレストランの予約を入れてくれた。
 その予約があると、専用のエレベーターが使え、チケット売り場に並ばずに入場できるそうだ。
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