パリの空の下、極上セレブ御曹司の貴方に今日も甘やかされてます
「お姫様のご機嫌はすっかり良くなったみたいだな」
 食後のコーヒーを飲みながら、ルイは言った。
「はい! 連れてきてくれて、本当にありがとう、ルイ」
「どういたしまして」
 わたしの目を見て、微笑む彼。

 でも……
 本当は、完全復活って訳じゃない。

 こうしてルイと一緒に過ごして、彼が優しくしてくれればしてくれるほど……
 自分が「偽装婚約者」や「妹分」であることが耐えられないほどつらく……


 あー。もうダメだ。
 これ以上、自分を誤魔化せない。
 楓の言う通りになっちゃったのが、ものすごーく悔しいんだけど。
 もう、開き直ろう。
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