パリの空の下、極上セレブ御曹司の貴方に今日も甘やかされてます
 わたし、ルイが好き。
 好きで好きでたまらないほど好き。
 もうとっくに、わたしの心のすべてを、この人に奪われてしまってる。
 
 だからこうして彼がわたしを甘やかして可愛がってくれるのはめちゃくちゃ嬉しいのだけれど、同時にたまらなく切ない。

 可愛がってくれればくれるほど、一人前の女性として、ルイがわたしを愛してくれる可能性が低くなる気がするから。

 ふと窓に目をやると、夕闇は完全に夜に取って変わっていた。
 店内にはジャズピアノの哀感に満ちた調べが流れ、眼下には宝石をちりばめたような夜景が広がり……

 信じられないほどロマンティック。
 映画の主人公になった気分。

 もう、うだうだ考えるのはやめよう。
 こんな、奇跡みたいに素敵な夜。
 思いっきり楽しまなくちゃ、もったいなさすぎる。
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