パリの空の下、極上セレブ御曹司の貴方に今日も甘やかされてます
 ……そう思った矢先だった。

 私たちの席に向かってくる女性の姿が、窓ガラスに映ったのは。
 
「やっぱりルイだったのね。向こうから見てそうじゃないかと思って。こんなところで奇遇ね」
「やあ、ソフィア」

 ソフィアと呼ばれたその人は、プラチナブロンドを無造作に後ろでひとつにまとめ、胸元が深く切り込んでいる赤いドレスを着た、ゴージャスな美人だった。

 ルイはすっと立ち上がり、彼女の前に立つ。
 そして、肩に手をおき、リップ音をたてて頬を合わせるお決まりの挨拶を交わした。

 でも、挨拶というには、ふたりの間に漂う空気があまりにも濃厚。
 そして、並んでいると相乗効果でふたりの美しさが何倍にも増幅されて見える。
 眩しすぎて目がつぶれそう。
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