パリの空の下、極上セレブ御曹司の貴方に今日も甘やかされてます
 彼の名前はラファエル。
 アデルとは2歳違いで、菓子職人目指して修行中なのだそうだ。

「めちゃめちゃ奥手でね。なかなか彼女ができないんだ。でも優しいことは保証する」
「でも、お兄さんだよね? やめとこうかな。うまくいかなかったら、アデルにも悪いし」

 アデルはチッチッチと人差し指を振った。
「そんなの、わたし、気にしないよ。相性なんて会ってみないとわかんないでしょ。何事も、まずチャレンジしてみないと」

 うーん、一理あるかも。
「だね。わかった。一度会ってみようかな」
「じゃあ、ラフの早番の日、聞いとくね」
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