パリの空の下、極上セレブ御曹司の貴方に今日も甘やかされてます

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　ラファエルは、アデルの説明どおりの、とっても穏やかでいい人だった。
　日本のアニメのファン。
　でも知ってる日本語は「こにちは」と「カメハメハ」だけらしい。

　カフェで１時間ほど話をして、別れ際、良かったらもう一度会おうって、照れながら言ってくれた。
　本当にシャイ。
　外国人の男の子らしくない。

　そんな彼に好印象は抱いた。
　でも、それだけ。
　残念なことに、心はまったく浮き立たなかった。

　あの日、リッツで高熱を出した日。
　ルイに頭を撫でられたときに感じた、いてもたってもいられないような気持ち。
　その百分の一も、ドキドキすることはなかった。

　やっぱり断るべきだな。
　チャレンジは失敗。
　こんな気持ちのまま付き合うのは、相手に対して失礼だ。