パリの空の下、極上セレブ御曹司の貴方に今日も甘やかされてます
 わたし、今までぜんぜん泣き虫じゃなかった。
 なのに、どうしてルイといると、こうも涙が出てくるんだろう。

 ルイは、泣きじゃくるわたしの二の腕を掴んで、ぐいっと引いた。
 わたしの身体がルイの胸に引き込まれる。

 「なぜ泣く?」
 「……ルイ?」

 顔を上げると、ルイの美しい顔が近づいてきた。
 熱を測ったときのように。
 でも前と違って、少しだけ首を斜めに傾けている。

 なんで……
 訳がわからなくなるほど、酔ってるの?

 なんで、わたしにキスしようとなんか……
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