パリの空の下、極上セレブ御曹司の貴方に今日も甘やかされてます
***

 そのまま眠ってしまったらしい。

 ドンドン。
 ノックの音で起こされた。

 寝たの、ほんの2,3分だったのかな。

 でも、時計を見ると、さっきから1時間ぐらい経っていた。

 もう、しつこいな……ルイ。
 少しの間、無視していたけれど、ノックはやまない。

「薫、開けてくれ」
 声音がさっきとは違う。
 とてもシリアス。

 ドアを開けると、声と同様、深刻な顔をしたルイが立っていた。
「すぐ支度してくれないか。祖母が危険な状態らしい。薫に会いたがっているそうだ」

 お祖母さんが?
「うん、わかった」

 わたしはあわててクローゼットに向かった。
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