パリの空の下、極上セレブ御曹司の貴方に今日も甘やかされてます
「父上。薫です」
 ベルナルド氏はふんと鼻を鳴らした。
 そして……
「日本から来た小娘か。私は認めていないからな」と、一言の元に吐き捨てておしまい。 

 それ以上、わたしには一瞥もくれずに、そのままベッドのほうに歩いていってしまった。

 あんまりにも横柄な態度に、わたしはぽかんとしてしまった。
 それからじわじわと腹が立ってきた。
 そして、なんでルイが両親に挨拶に行こうと言わなかったのか、いっぺんに理解した。

 はあ?
 そりゃ、確かに、わたしはただの小娘だけど。
 でも!
 世界一の金持ちかどうかは知らないけど。
 最低限の礼儀ってものはあるでしょうが!
 
 そう文句を言ってやりたかったけれど、病室で騒ぎを起こしたくなかったので、ぐっと我慢した。
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