パリの空の下、極上セレブ御曹司の貴方に今日も甘やかされてます
 頼りなげに揺らめく緑の瞳を見つめ、そしてゆっくり首を横に振った。

「……そんなこと、ないよ。ううん、ルイで……良かった」

 その言葉に、彼は嬉しそうに目を細めた。
「それは光栄だな」

 ルイは、わたしの下唇を、親指で愛おしげに撫でた。

「薫……」
 その指で唇を少しだけ押し開いて、ふたたび口づけてきた。

 生まれてはじめての、さっきより100倍は激しい、喰らい尽くされるようなキスに翻弄されて……
 脳味噌が沸騰しかけた。
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