パリの空の下、極上セレブ御曹司の貴方に今日も甘やかされてます
「だってルイ、さんざん〝ガキ〟には興味ないって言ってたじゃない」 
「人の気持ちは変わるものだよ。薫だってそうだろう?」
「それはそうだけど……」

 そりゃ、初めて会ったときは、ルイのこと、いけすかない、やな奴って思ってた。
 でも、今はもう、くらくらするほどルイが好きになってる。

「でもソフィアさんと付き合っているんでしょ? わたしが気づいてないと思ってる? ルイから彼女の香水の匂いがするのを」

 わたしは名探偵よろしく、ルイを問いただす。

「ソフィアの香水?」

「そう。ルイのいつものコロンにシプレの香りが混ざってるの、わたし、ちゃんと嗅ぎ分けられるんだから。それって移り香ってことでしょう? あの日だけじゃなくて、前にもあったよ」
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