パリの空の下、極上セレブ御曹司の貴方に今日も甘やかされてます
ルイははじめ、いぶかし気な顔をした。
それから下を向き、くっくっとおかしそうに声を詰まらせた。
「なんで笑うの?」
「いや、ちょっと待ってろよ」
そう言うと、ルイは自室から仕事用のジャケットを手に戻ってきた。
そして、胸ポケットからくしゃくしゃになったムエットを取りだした。
「これじゃないか。香りの正体は」
わたしはルイからムエットをひったくって嗅いでみた。
あっ、シプレ。
「あの日、新作の試作が届いてね。ポケットに入れっぱなしにしていたんだな」
「じゃ、じゃあ、前のときは?」
「前って?」
「ひと月ぐらい前。あれはぜったい『カボシャール』だった」
ルイは思案顔。
「ソフィアは抱きつき魔だからな。私だけじゃなく、たぶんスタッフ全員、彼女の香水の残り香がするだろうな」
それから下を向き、くっくっとおかしそうに声を詰まらせた。
「なんで笑うの?」
「いや、ちょっと待ってろよ」
そう言うと、ルイは自室から仕事用のジャケットを手に戻ってきた。
そして、胸ポケットからくしゃくしゃになったムエットを取りだした。
「これじゃないか。香りの正体は」
わたしはルイからムエットをひったくって嗅いでみた。
あっ、シプレ。
「あの日、新作の試作が届いてね。ポケットに入れっぱなしにしていたんだな」
「じゃ、じゃあ、前のときは?」
「前って?」
「ひと月ぐらい前。あれはぜったい『カボシャール』だった」
ルイは思案顔。
「ソフィアは抱きつき魔だからな。私だけじゃなく、たぶんスタッフ全員、彼女の香水の残り香がするだろうな」