パリの空の下、極上セレブ御曹司の貴方に今日も甘やかされてます
 うーん、本当かな。
 なんか誤魔化されてる気がしないでもないけど……

「まだ疑ってるのか? シワよってるぞ」

 ルイはわたしのおでこをつつく。
 それから、わたしの手を取った。

「いや、そんなことより薫のほうだ。やっぱり、私よりあの金髪のほうがいいのか」

 ルイは横目で睨んできた。

「そんなんじゃないよ。彼は友達のお兄さん。2回お茶したけど、それだけ」

 でもルイは、さらに疑いのまなざしを向けてくる。

「嘘だ。公衆の面前であんなに顔を寄せ合って。それにあいつが薫を見る目つきは完全に恋する男の目つきだった」

「告白されたけど、断ったの!」
「なんで断った? 薫の長年の望みだったんじゃないのか? 金髪で青い目の男と付き合うのが」

 ルイはわたしの目を覗き込んでくる。
 もう、わかってるくせに!

「言わなくても答えはわかってるんでしょ」

 ルイは両手を広げて、首を傾げて言った。

「さあ、薫の口から聞かないことにはなんとも……私の勝手な思い込みかも知れないからな」

 そんなこと言いながら、口の端にはかすかな笑み。

 もーーーーっ!
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