パリの空の下、極上セレブ御曹司の貴方に今日も甘やかされてます
「ああ、薫」
 彼は背に回した手に力をこめた。

 そして……
 いったんその腕を(ほど)いて立ちあがると、わたしの手をつかみ、自分の寝室に向かった。

 そういえば、この部屋に入るのは、今日がはじめて。
 家具はベッドとサイドテーブルだけ。
 内装もとてもシンプル。
 
 ルイに導かれ、並んで、ふたりでも充分に広いそのベッドに腰かける。

「薫……」
 緊張をほどこうするように、ルイはわたしの髪を撫で、やがてついばむような口づけをはじめた。

 だんだんと熱を帯びていくルイの口づけ。
 唇を舌先でなぞられ、こじ開けられる。
 そのまま敏感な場所を探られ、頭がぼうっとしてきて、何も考えられなくなってゆく。
 
「ようやく薫と愛し合えるんだな」
「ルイ……」
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