パリの空の下、極上セレブ御曹司の貴方に今日も甘やかされてます
 ルイがわたしを選んだのはほんの気の迷いで、やっぱり彼女を選んでしまうんじゃないか。

 並んでいるふたりを見ると、どうしても不安が頭をもたげてしまう。


「薫」
 気づくとルイがすぐそばに立っていた。
「ソフィアが明日ショーが終わったあと、一緒に食事をしたいと言ってるんだが、どうする?」
「ソフィアさんが?」
「ああ。一度、薫とゆっくり話がしたいそうだ」

 うーん。どうしよう。

 迷っていると、ルイがわたしのおでこをつんつんとつつく。
「また眉間にシワが寄ってるな。薫がイヤなら断ってもいいんだぞ」
「ううん。行きます」
「無理してないか?」
「大丈夫」

 このままずっと、不安を持ちつづけるよりは、直接話したほうがいい。
 そう思って、了承の返事をした。
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