パリの空の下、極上セレブ御曹司の貴方に今日も甘やかされてます
「ルイの友人として、とても感謝してるの。あなたと付き合いはじめて、ルイはようやく吹っ切れたみたいだから」
「吹っ切れた?」 

 サーブされたコーヒーカップを持ちあげながら、ソフィアさんはわたしに視線を合わせた。

「ロザリーのことは聞いてる? ルイの従妹の」

 ロザリー?
 ああ、はじめて会った日、たしかわたしに似ていると言ってた人。

「はい。詳しい話は聞いてないですけれど、事故で亡くなったということは……」

「わたしもよく知っている訳ではないの。でもね、ルイはずっと彼女の死に責任を感じていたらしくて」

 えっ?

「それは、彼女の死に、ルイが直接関わったということですか?」

「そうではないと思うけど。とにかく彼女の死後、真剣に女性を愛せなくなった。もう一生、誰とも付き合わない。そう言ってたのよ、ルイは」
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