パリの空の下、極上セレブ御曹司の貴方に今日も甘やかされてます
***

 オルレアン近郊の丘の上の墓所にあるロザリーさんのお墓。
 そこに立つ白い十字架に、わたしたちはピンクの薔薇のリースを供えた。

 その日はずっと雨だった。
 けれど、お墓の前で、一心に祈りを捧げているうちに、雨はいつのまにかやんでいた。

 見上げると、一面を覆っていた暗灰色の雲に切れ目が入っている。
 そして、まるでカーテンが降りてきたように、光がサアーっと降り注いできた。

「あ、天使のはしご……」
 わたしがそう呟くと、ルイが静かにうなずいた。
 そしてわたしの肩を抱き、出口に向かって歩きはじめた。

「ロザリーが許してくれたのかも知れないな」
「えっ」
「いや、そう思うのは生きてる者の勝手な解釈か」

 小さな声で、ルイは呟いた。
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