パリの空の下、極上セレブ御曹司の貴方に今日も甘やかされてます
「えーっ! ちょっと、やだ。薫の彼だよね? カッコ良すぎ!」

 ルイはアデルを見て、微笑んだ。
「きみがアデル? 薫から話は聞いているよ。今度、家に遊びに来てほしいな」
「は、はい」
 それだけで、アデルの顔は真っ赤。
「可哀そうだけど、お兄ちゃん、最初から可能性ゼロだったんだ。この人に勝てるわけない」
 ぶつぶつと、そんなことを呟いてる。

 うーん、相変わらず、ルイの瞬殺力は衰え知らず。
 そういえば、最近、ちゃんとチェックしてなかった。
 ルイのコロンに違う香りが紛れてないか。

 わたしはルイのほうを向いて、くんくんと鼻を鳴らす。

「こら」
 わたしの意図に気づいて、ルイは軽く頭を小突いた。
「痛いって、もう」
 仕返しに腕をパンチ。
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