パリの空の下、極上セレブ御曹司の貴方に今日も甘やかされてます
 ジャンは今度はわたしのほうに向かって言った。
「よし、2カ月で3点のパフュームを作れ。日常用、フォーマル用、そしてナイトタイム用だ。11月からのクリスマス商戦に合わせて販売する」

「えっ、販売?」
 わたしが作った香水を???

「ただし、限定数、各5万を今年中に完売させること。お前に本当に力があるか、それで見極める」
「そ、そんな……」
「それを達成できたら、おまえたちの結婚も認めてやる」

 それはいくらなんでも無理です、と言おうとするわたしをルイが制した。

「わかりました。製造や価格設定、宣伝などを一切、私にまかせていただければ」
「まあ、いいだろう」

 わたしは全身から疑問符を飛ばしていたんだろう。
 ルイが微笑みながら、わたしの肩を抱いて、言った。
「薫、ぼーっとしてる暇はない。帰って早速作戦を練るぞ」

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