パリの空の下、極上セレブ御曹司の貴方に今日も甘やかされてます
「父は徹底した現実主義者だし、商売に対する勘は超一流だ。それでここまで会社を大きくしてきたんだから。いくらマダムに言われたからとはいえ、見込みのないものに興味は示さないし、賭けたりもしない」

「でも、完売なんて……無理だよ。わたしみたいな無名のパフューマーが作った香水」

「そこは私にまかせてくれ。薫はただ、人を魅了する素晴らしい香りを作ることだけに専念してくれればいい」

 そう言って、わたしの頭をぽんぽんと叩くと、ルイは車を発進させた。

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